福岡高等裁判所 昭和27年(う)1575号 判決
およそ押収物は沒収の判決により、国家に帰属し、結局公売に附せられ、換価されるものであるから、沒収することができる押収物について換価処分がなされた場合における換価代金は、刑法第十九条その他の沒収を規定した法令の規定の適用に関しては被換価物件と同一視すべきもので、いわゆる押収物の対価ではないのであり、また押収物の換価に関する刑事訴訟法第百二十二条の規定は捜査に準用(第二百二十二条)されること、及び沒収の裁判の執行も検察官の命令により為されることから考究すれば、当該押収物の沒収の裁判が確定したときは、押収物が換価処分に附せられている場合には、その執行として当然該押収物の換価代金が沒収されることになるのであつて、沒収の裁判により押収物自体又はその換価代金のいずれがその結局沒収されるかは、該裁判の執行に属することがらであるということができるので裁判所としては、該押収物が既に換価されている場合にはその換価代金の沒収を言渡すを通例とするのであるが右に説示の理により押収物に対して沒収の言渡をなすも差支えないものと解するを相当とする。